錦眼鏡余話1:No4
ツマグロヒョウモン:その2
10月の下旬、庭仕事をしていたワイフが、
「おもしろい蛹を見つけたわよ。」
と言って、根の付いた15cmほどの枯草を持ってきました。
枯草の上の部分に鎧を着たようなごつい蛹が付いていました。
私も始めてみる蛹です。
ワイフが蛹の1点を指さしました。
刺全体が銀色に輝いています。
メタリックな輝きをもった刺を数えてみました。
全部で10個ありました。
銀色に輝く刺の上には、メタリックな輝きをもたない長い刺が12個並んでいました。
(蛹:2011年10月5日:自宅)
ためしに触ってみました。
ぴくぴくと動きました。
生きています。
「しばらく飼ってみよう。入れ物があるかなあ。。。」
「ちょっと待ってて、虫籠があると思うよ。」
ワイフが物置から虫籠を持ってきました。
我が家の玄関に置いて、しばらく飼うことにしました。
来年、早春にチョウになるかもしれません。
もしかすると、今年中に羽化するかもしれません。
どんなチョウが出てくるか楽しみです。
先日、ワイフと庭の草花の話をしているときに、
「今年、花壇のスミレを丸坊主にした毛虫が発生したの。」
と、ワイフが言った「言葉」を思い出しました。
「もしかして、ツマグロヒョウモン?」
すぐに、インターネットで調べてみました。
予想は当たっていました。
蛹はツマグロヒョウモンです。
5年ほど前に、多摩川へ散歩に行ったとき、
河原で交尾をしていたメスグロヒョウモンの雌雄を見たのが最初でした。
昨年あたりから、我が家の庭にも訪れるようになりました。
図鑑で調べてみたら、食草は、スミレやビオラだそうです。
スミレやビオラは、どの家庭の花壇にも植えられている草花です。
インターネットで調べたら、スミレやビオラが花壇に植えられていることが
生息域を広げている一因になっていると書かれていました。
また、地球温暖化の波に乗って、北へと生息域を広げているのだそうです。
1週間ほど経って。。。
買い物に行こうと、玄関へ降りたとき、虫籠の中で動くものがありました。
「チョウが羽化したな」と思いました。
虫籠の中を覗いてみると、ツマグロヒョウモンの雌です。
「おーい、チョウが羽化しているよ。」
大きな声でワイフを呼びました。
台所仕事をしていたワイフは、手を拭き拭きやってきました。
「わあ。。。きれいなチョウ!」
「まだ、羽が痛んでいない。」
「これから自然に帰してあげよう。」
(2011年10月13日:自宅庭)
ツマグロヒョウモンは、しばらく蓋を開けた虫籠の上にとまっていましたが、
最初はふわりふわりと、我が家の花壇の上を飛びました。
それから、
大空へ一気に飛び立って姿が見えなくなりました。
「これから、寒くなるぞ。寒さに負けないで、しっかり子孫を残すんだよ」
ツマグロヒョウモン:終わり