70年近く生きているのに、
おかしな虫に初めてお目にかかりました。
土曜日の午前中、食卓でのんびりと朝刊に目を通していると、
妻が「おもしろい虫がいたわよ」
と言って、小さなプラスチック箱に虫を閉じ込めて持ってきました。
体長1センチほどの虫です。
写真のように長い口吻を持っています。
羽は半分模様があって、半分透き通っています。
「見たことないなあ。。。初めてだよ」

(長い口吻が目につきますね)
隣の部屋から昆虫図鑑を持ってきました。
図版を1枚ずつめくっていく探し方は時間がかかります。
ある程度、検討をつけてから探すことにしました。
箱の中の虫を改めて見直すと、不思議な格好をしています。
体には金色の艶やかな長い毛が密集しています。
翅は2枚です。
2枚の翅から「双翅目」だと言うことは分かります。
双翅目でも、カ(蚊)の仲間ではありません。
アブあたりから探していこうと、ページをくくり始めました。
アブ科は、5ページから始まっています。
ページをめくった2枚目によく似た虫が掲載されていました。
よく似た虫は2種類いました。
写真の説明文を読みました。
小さい虫は、「コビロウドツリアブ」となっています。
「コ」 「ビロウド」 「ツリ」 「アブ」
切り離して読むと、どんな虫が分かってきました。
説明文を読むと、
「前種に似るが、体ははるかに小さい(体長6.5〜7.5mm)。本州。」
としか書いてありません。
妻が覗き込んできて
「大きさが違うから、これじゃあないわ」
とつぶやきました。
大きさだと、その前の「ビロウドツリアブ」のようです。
でも、妻が
「口の前の尖がっている部分が、図鑑では先が
二股になっているけど、この虫はなっていないわ」
と言いました。
(腹部:ひっくり返って起き上がれないときに撮影)
「この部分は口吻と言うのだと思うよ。
多分、植物の葉や茎に尖った部分を突き刺し、
樹液や養分を吸い取る生活をしているんじゃないかな」
と、私は憶測で説明をしました。
でも、説明しながら、
葉や茎に刺すなら、全体が細すぎると思いました。
同じページにツリアブ科の飛び方の説明がありました。
妻はそちらの説明にひかれたようで、
「この虫の飛んでいるところを見てみたいわ」
と言ってダイニングキッチンを出ていきました。
妻が読んだ飛び方の説明は下記のようになっています。
「ツリアブ科の飛び方はおもしろい。
空中に静止したり上下するようすは、
まるで空中に見えない糸でつるされているようである。
そのうちにすごいスピードで一直線に飛び去る。
体は太く、口吻が細長く突出するものが多い。花に集まる。」
翌日、明るい日差しの下で「ビロウドツリアブ」の写真を撮ってから、
外へ逃がしてやりました。
逃がしてから、
写真をパソコンに取り込むついでに
「ビロウドツリアブ」をインターネットで検索して調べてみました。
検索していると、妻が来て、
「昨日のビロウドツリアブ、どこにいるの?」
と尋ねてきました。
「朝、写真を撮って逃がしてあげたよ」
「なんだ、もう逃がしたの。名前、わかったの?」
「ビロウドツリアブで確定だよ。北半球に普通にいるんだって。
そうそう、口吻は花の蜜を吸引するためのものなんだってさ」
「ビロウドツリアブ」で検索したら28,000件もヒットしました。
調べた結果から分かったことは、
「体長は8〜12mmで、成虫は3月から5月に出現するそうです。」
今は4月だから季節的にはあっています。
体の大きさも、そんなものです。
「早春、フキノトウやカタクリなどの花の蜜を吸引しているようです。」
そのとき、得意のホバリング飛行をやるのでしょうか。
1度、自然界で生活している「ビロウドツリアブ」を見てみたいものです。
「全身に黄色の長い毛が密生しているそうです。
また、長い口吻をもっています。」
読み進めていくと。。。
「幼虫は、土中に巣をつくるヒメハナバチ科の幼虫や蛹に寄生するとなっていました。」
これには驚きました。
自然界って、本当に不思議がいっぱいですね。
「日当たりのいい林の縁などに多いそうですが、
都市郊外でも、よく見ることができるとありました。」
(自転車のサドルの上で。。。影が斜めから射していた)
自転車のサドルの上へ逃がしてやりました。
朝、早かったので、体が温まっていなかったのか、
すぐには飛ばすにいました。
影を見ると、戦闘機のような形をしていました。
それにしても、ずんぐりむっくりですね。笑
自然界には、普通にいるそうですが、
私も妻も初めて見ました。。。皆さんはどうですか?