昨年あたりから、テレビや新聞等で盛んに報道されている経済事件に
「オリンパス事件」と「大同製紙事件」、「AIJ年金消失事件」があります。
「オリンパス事件」とは、オリンパス株式会社が巨額の損失を
「飛ばし」という手法で損益を10年以上の長期に渡って隠し続けた末に、
これを不正な粉飾決算で処理した事件です。
オリンパスの経営者が虚偽の内容の財務諸表を作成して、
収支を偽装し虚偽の決算報告を出して株式市場や株主を欺いてきました。
オリンパスの経営陣は、財務の不透明さを鋭く追及した当時のイギリス人社長を
解任してしまう暴挙に打って出ました。
またもや、
日本の会社いや社会の自浄能力のなさを世界に露呈した事件と言われています。
「大同製紙事件」とは、前会長がグループ企業から84億円の巨額なお金を
個人的に借り入れていたことが発覚して辞任した事件です。
まだ返済していない残高が50億円にのぼると言われています。
この事件が世間をあきれさせたのは、社長職や会長職にあるものが
100億円以上のお金をギャンブルに注ぎ込んだということです。
カジノで遊んだあげくに失ってしまったということです。
自分のお金をどう使おうと勝手ですが、通常の人間の感覚では理解に苦しみます。
この会長、昨年47歳だったそうです。
43歳で「大同製紙」の社長になり、昨年6月に会長になったそうです。
彼は「大同製紙」の創業者3代目の御曹司だそうです。
また、この3代目は、東大法科を現役で入学した秀才だと言うから
学校の勉強って何なのだろうかと、いささか疑念を抱きます。
「AIJ年金消失事件」は、巨額の年金基金を投資で消失させた事件ですが、
まだまだ事件の本質は分かっていないようです。
AIJ投資顧問の浅川和彦社長は、「はっきり申し上げて、
騙すつもりは全くありません!」と国会で言い張ったそうです。
騙すつもりはなかったと言う社長は、運用の失敗をひた隠し、高利回りを
うたい続け、新規契約者を増やさそうと努力してきました。
浅川和彦社長は、損失を取り戻そうとした結果だと述べています。
にもかかわらず、新規契約者から集めた基金は、運用せずに解約者へ
回していたと言うから話がまったく合いませんね。
働く人たちが老後の生活のために貯めた大事な原資を
リスクの多い金融商品に注ぎ込んでいる実態が浮き彫りになりました。
AIJ投資顧問などに大事な年金を預けた厚生年金基金の理事たちの
見識も疑われる事態になっています。
ここで、またしても天下った官僚OBの無責任な体質が問われています。
何か、日本社会の底の見えない無責任さと不誠実さが不気味です。
AIJ投資顧問のような投資顧問会社の調査によっては、そんな闇の世界が
さらに炙り出されるのではないでしょうか。
年金制度そのものの根幹にかかわるような事態に発展ししそうな
不吉な予感もします。
金融等監視委員会の調査によると、平成3年から11年までの9年間で、
AIJの収入は、年金基金の受け入れが1458億円、株の売買が14億円の
計1472億円にのぼるそうです。
一方、支出のほうは、運用損失1092億円、基金への解約支払い17億円、
委託手数料61億円、管理報酬45億円、監査報酬6億円、投資事業組合へ
の出資181億円、海外ファンド持ち分21億円、それに現預金49億円で
〆て1472億円だそうです。
最後に、許しがたい行為をしているにもかかららず「騙すつもりは
なかったと言う浅川社長のような人間」のことを「鉄面皮」「厚顔無恥」と
言うのだと思います。
運用に失敗していながら、管理報酬として45億円をしっかり頂いていた
浅川和彦社長。
また、社長としての役職報酬も年額7000万円だと聞いて、
やりたい放題の好き勝手をしているものだと怒りさえ覚えるのは
私ひとりではないでしょう。
この事件によって、老後の年金を失う人が出ることが今後の大きな社会問題へ
発展していく可能性が大であります。
他の厚生年金基金の中には、原資が不足している基金がいくつも出てきそうです。
もしかすると、自分の年金だけは大丈夫だと思っている私の年金にも
影響が波及してくるかもしれません。
厚生年金と共済年金の一元化で、原資が底をつきかけた厚生年金基金を
救うなんてことになったら、皆さん、黙ってはいないでしょう。
議員さんたちも一蓮托生なら、怒りの矛先は変わってきそうですが。。。
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