愛宕山表参道から月輪寺 D |
5分 35分 60分 40分 30分 40分
40分 |
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愛宕山は標高942m。京都市では最も高い山だ。山頂には「あたごさん」として親しまれている愛宕神社があり、防火の神として名高い。たいていの家庭では台所にあたごさんの護符が貼ってある。今日は、この護符をいただきに行くことにする。 清滝のバス停は試峠トンネルを出てまもなくのところにある。ここから坂道を下って赤く塗られた猿渡橋を渡るとほどなく二の鳥居が見える。かたわらには14丁と記された標石がたっている。これは嵯峨鳥居本にある一の鳥居を起点として1丁(約110m)おきに設けられた丁石で、山頂がちょうど50丁になっている。 お助け水を過ぎると参道は高燥な尾根道に変わり、やがて小さなほこらと樒を売っている茶店が見えてくる。さらに参道をたどると25丁目に休憩所がある。付近は、参道の中間点に当たるところから「なか屋」と名付けられた茶店の跡で、平坦な広場になっており眺めもよい。ここは子どもにとって恰好の休憩場所だ。 先を急ぐので遊びはほどほどにして、丁石を数えながら参道を進む。大きな杉の木の洞に酒樽を供えた大杉大神を過ぎることから勾配がやや緩やかになって少しピッチがあがる。 |
すれ違う人たちが声をかけて下さる |
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水尾からの道をあわせた参道は、両側に杉の大木が並ぶようになり風格が上がっ てくる。神社が近いことが感じられる。参拝をすまされた方が、「もうちょっとやで」などと声をかけて下さる中、ようやく黒門をくぐって社務所に着いた。社務所の前は少し広くなっていて昼食にちょうどよい。食事と休憩をすませて元気をとりもどすと、239段の石段を難なくのぼり奥の宮に向かう。ここで参拝をし、念願の護符を授かって、本日の目的は達せられた。あとは下山するばかりである。 下山路は月輪寺を経由するコースを選んだ。石段をもどって左折し、さらに道標に従って右下におりていく。少し行ったところで右手に大きな岩があり、展望がよい。月輪寺への道は、表参道とちがって、利用する人が格段に少ない。家族だけでこの空間を占有している |
「火迺要慎」の護符を授かる愛宕神社 |
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贅沢を存分に味わいながら、静かなな山道をゆっくりと行く。南に下がっていた道はやがて大きく北に反転してまもなく月輪寺に着く。 月輪寺は781年の開創と伝えられる古い寺で、親鸞が流罪になるとき植えたと言われる時雨桜や天然記念物のシャクナゲが有名である。また、坂上田村麻呂が自ら刻んだ十一面千手千眼観音ほか7体の重要文化財がある。これほどの貴重な寺を尼僧がひとりで守っている。 月輪寺からはやや厳しい下りになるので、足下に注意しながらおりる。子どもたちに事故を起こさせないためには、下り道には少し緊張感が必要だと思う。ジグザグ道に疲れた頃、梨ノ木谷出会に下り着く。ここからは、林道をゆったりと清滝まで戻る。余裕があれば、片道10分くらいのピストンで空也の滝に寄ることもできる。 |
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