このHPでは、れんげやたんぽぽを摘んだり、ざりがにやかえるを採ったりする
遊びを紹介しています。これに対して、
「自然を保護するために動植物をとるべきではない」と
指摘される方もあろうかと思われます。
この問題について私たちは次のように考えています。
かつては、よもぎを摘んで餅に入れたり、いなごを炒って食べたり、
人の生活と自然が密接に結びついていました。子どもにも
にわとりに与えるはこべを採るなどの仕事が与えられていました。
しかし、今では私たちの生活に必要な物はすべてお店で賄われます。
当然、子どもたちの生活にも自然との関わりがうすくなります。事実、
子どもたちによもぎやはこべを示して名前を聞いても分かる子はほとんどいません。
ただの草になってしまっています。
私たちの身の回りからどんどん自然が失われました。
でもそれは子どもが動植物を取り尽くしたからでしょうか。
そうではなくて、自然破壊をもたらしているのは、大規模な宅地造成などの、
大人の商業主義ではないのでしょうか。それは、開発者だけの責任ではなく、
生活の向上を期待してこれらの行為を看過した私たちの責任でもあります。
身近な自然に愛着を感じずに、自然を大切にしなかった私たちの
自然に対する無理解のツケがまわってきているのです。
これ以上、私たちの周りから自然が失われるのを防ぐには、
人々が自然に関心を示しふるさとの風土に愛着を感じることが必要です。
そのためには、私たちの身の回りの自然を構成するひとつひとつの草花や動物が
無意味に存在しているのではなくて、
私たちと密接に関係していることを思わなくてはなりません。
これを子どもにあてはめたのが自然の中での遊びなのです。
そもそも子どもが遊ぶのは、科学技術を用いて自然と対峙しているのではなく、
ひとつの生き物になって遊んでいるのですから、
鳥や獣が虫を捕ったり草の根をほりかえしたりするのと同様、
「自然」の範囲内の行為ではないでしょうか。
それはともかく、身の回りの自然をかけがえのないものと捉えることが、
さらなる自然破壊を防ぐ手だてだというのが弊会の考えです。
ただし、弊会では、自然の中で遊ぶのに
子どもと次のような約束を交わすことを勧めています。
@遊びに使うのはとってもいいが、それ以上はとらないで残しておいてあげよう
Aつかまえた動物は飼ってあげよう。飼えないものは元気なあいだに逃がしてあげよう
B遊んだあとはきれいに
これは、子どもが自分の大切な友だちとして自然を認識できるように
との考えによるものです。同様の理由により、弊会では、
植物の種や昆虫などの卵や幼虫を持ち帰って家庭で育てることを推奨しています。
また、自然のめぐみを食用に供したり、工作の材料に活用したりと、
子どもの多方面な活動に発展させることにも取り組んでいます。
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